Nowhere Man(50代から投資と健康と浦和レッズと)

_/_/_/ 定年間近の "Nowhere Man" 老後の準備、お金と健康と趣味の備忘録 _/_/_/

企業型確定拠出年金の出口戦略について覚え書き 「移管のスリッページコストに注意」

2017年に会社で企業型確定拠出年金の制度が始まり、ひとまず節税目的で
『三菱UFJ銀行確定拠出年金専用1年定期預金』を毎月満額(25,000円)拠出していました。
それだけでも、おおよそ年50,000円越えの節税になっていましたので満足していましたが、その後、投資の勉強を始め、2020年のコロナショックからの金融上げ相場の途中から投資信託に切り替えました。
今思えば、コロナショックの絶好の買い場底値付近を定期預金でやり過ごすという、残念な経緯ですが、その頃は全く投資知識がなかったので仕方ありません。

さて、私の年齢の場合60歳定年時点では拠出期間が10年に満たないため、62歳の誕生日まで払い出しができません。

60歳からの運用方法は3通り

2022年5月の改正により、60歳からの選択肢が3つに増え、下記②③で引き続き拠出が可能になりました。
①現在のプラン継続:75歳の2か月前までそのまま運用可能(ただし60歳以降は拠出はできず運用のみ)
②併用プラン:企業型を運用継続しながら(①)、別途iDecoに加入する(拠出可能)
iDecoに資産を一本化する(拠出可能)
ⅰ.国民年金の第 2 号被保険者であること
ⅱ.国民年金の任意加入被保険者であること
公的年金を65歳前に繰り上げ請求した場合はiDdecoへの再加入不可)

iDecoに一本化する場合の注意点

iDecoに一本化する場合する上記③のケースでは注意が必要です。
このケースの場合、運用会社や購入ファンドを変えても変えなくても、保有資産がいったん現金化となります。
そして、iDecoは移管に2か月程度かかってしまいます。

例えば、今と同じ運用会社で一本化を申し込み、申し込みと同時に今までと同じファンドを購入する指示を出したとします。
移管に2か月かかると説明を受けました。
そうなると、移管期間の2か月の間に基準価額が下がれば買える口数が増えて嬉しいのですが、仮に相場が良く2か月後に大暴騰してしまうと勝手に高い基準価額のタイミングで購入され口数を減らしてしまいます。
そのまま運用していれば暴騰でウハウハなはずがまさかの事態。稲妻が輝く瞬間を逃す下手なタイミング投資をしたのと同じです。

売却から再購入までのタイムラグがなければ、その時点の価額が高かろうが安かろうが問題ないのですが、2カ月のタイムラグとなると運任せとなってしまいます。それまで大事に積んできた資産を無駄にしないように気をつけたいところです。

先輩はちょっと損をした

実はこれを調べたきっかけは、私が来年このタイミングということもあり、今年定年雇用延長となった1年先輩の移管の様子を興味深く聞いていたからです。
会社も3通りの選択肢を詳しく知らず、先輩も引き続き拠出できるなら・・と、③のパターンで同じ運用会社(ニッセイ)でiDeco一本化し、同じファンド(外国株式)を申し込んでいました。
私はその時点では同じ運用が会社で同じファンドを申し込んだなら継続運用と認識していたのですが、先輩に尋ねると「いったん現金化されているよ」とのことでしたので驚いて調べてみたわけです。
先輩のケースでは、移管の2か月が4月~6月の暴騰期間にあたり口数を減らしてしまっています(まぁ、総額が移管前と変わらないため本人は気づいていないので黙っていますが)。


(2023/04/01~06/01の期間5.4%暴騰。先輩残念!)

ということで、経理担当には「このようなことの周知が必要ですよ」と、伝えておきました。
2022年に法改正されたこともあり、経理も、ニッセイの営業担当者も詳しい知識がなく(それまでは①しか選択肢がなかった)、会社としても我々世代が初めての出口世代です。
やはり、投資である以上拠出する本人がしっかり勉強しないとなりませんね。

因みに、私は60歳以降そのままニッセイで継続運用(①)を選択するか、もしくは60歳までに自分のタイミングでいったん利確(預金にスイッチ)し、口座管理手数料無料(※)のSBI証券iDecoに移管一本化。再び自分のタイミングで好きなファンド購入(③)ですね。
2023年からBIGなNISA枠が出現しますし、再雇用での給料は減るしで、iDecoにまで拠出する余裕はないのですが、節税効果次第では検討の余地がありますのでもう少し調べてみます。

手数料(口座管理料)で比較

www.dcnenkin.jp

口座管理手数料や基金連合会への手数料が定額なので(資産に対する%じゃないので)、拠出年数が短く総額が少ない我々世代はちょっと不利。
ニッセイで継続した場合は、ファンドの信託報酬を含めると、拠出しない①でも運用資産の0.2%強、拠出する③では0.3%程度の経費がかかることになります。

今日の結論

移管に2カ月かかるなんて、イカン!