Nowhere Man(50代から投資と健康と浦和レッズと)

_/_/_/ 定年間近の "Nowhere Man" 老後の準備、お金と健康と趣味の備忘録 _/_/_/

年金を考慮したリタイア後のポートフォリオ


インデックス投資は勝者のゲーム:ジョン・C・ボーグル著

アセットアローケーションの項で、株式と債券の比率を固定させるのか、それとも出口に向けて変化させるのかを、ターゲットデートファンドなども例にあげて説明している中で、
社会保障制度による年金を忘れてはならない」
という説明がある。

いかなるアセットアロケーション戦略が自分にもっともふさわしいと考えようとも、引退した者たちにとっては主たる収入源である社会保障制度による年金を考慮に入れなければならない。(中略)年金を債券のような資産として考慮する必要がある。ポートフォリオにおける年金の価値は大きいのだ。

少々簡略化するとこんな例だ。(簡単にするためすべて1ドル100円で円換算)
・年金を年間約140万円受給する投資家がいるとする
・この給付額をTボンド(利付長期国債)の現在の利率で割り戻せば、この投資家の年金の価値はおよそ2700万円(※140÷2700=Tボンド利率約5.2%で計算されている)
・この価値は亡くなれば消えるので、独断でおよそ1/4を割り引いて、その価値を2000万円とする(ここ?でした)
・この投資家は1億円の投資信託ポートフォリオを所有しており、株式:債券=50:50の古典的なアロケーションを行っている

ポートフォリオ

アセット 金額 比率
株式 5000万円 50%
債券 5000万円 50%

●このポートフォリオに年金に対する投資(2000万円)を追加すると

アセット 金額 比率
株式 5000万円 42%
債券同等物 7000万円 58%

(※債券同等物=投資信託5000万円+年金価値2000万円)
となり、投資家は自分が考えているより保守的なポートフォリオ保有することになる

●本来の50:50のアロケーションを達成するなら

アセット 金額 比率
株式 6000万円 50%
債券同等物 6000万円 50%

(※債券同等物=投資信託4000万円+年金価値2000万円)
を投じなければならない
・投資家は年金を債券と同等の資産と考えるべきなのだ

私はすでに5000万円のバランスファンドを所有している⁉

本の中の投資家が億り人だったためすっかり現実味がなくなったが、気を取り直して自分に置き換えてみよう。
国民年金+厚生年金の場合で年間250万と想定(夫婦二人分の手残り)。年金を債券同等物と見立てるが、日本の国債は利回りが低く実感が沸かないので、期待利回り3%~5%のバランスファンド同等物とでもしましょう。
本に倣って250万から1/4を割り引いておよそ180万として、

期待利回り3%とすると
180万円÷3%=6000万円
期待利回り5%とすると
180万円÷5%=3600万円
言ってみれば66歳以降、(間をとって)5000万円相当程度の金のバケツを持っているのと同じようなもので、年金の価値は中々のものなのだ。

リタイア時に用意できた自力ポートフォリオが5000万円以下なら100%株式でも十分保守的、

アセット 金額 比率
株式 5000万円 50%
債券同等物 5000万円 50%

(※債券同等物=年金価値5000万円)

つまりは、9割の世帯が自力ポートフォリオの株式比率100%でよい、という元も子もない結論www

私の出口戦略

まぁ、リタイア時点で1億円あれば半分になっても計算上は生活に全く問題はないが、虎の子の2000万や3000万円の手元の資産が時に暴落で半分になったらこりゃ耐え難い。

私のようなマス層は、こんなややこしい考え方をしなくても、「年金で足りない分を期待利回りで割り戻した規模のポートフォリを持つ」でいいかなと思う。
我が家の支出は夫婦2人で27万円/月の平均的な家計なので、年間324万円必要。
2人の年金を手残り250万円とすると不足額は74万円。
74万円÷ポートフォリオ期待利回り3%で≒2500万円
74万円÷ポートフォリオ期待利回り5%で≒1500万円

間をとって2000万でそこそこ、3000万ならさほどリスクをとらないポートフォリオで余裕あり。
私の場合、年間80万円ぐらいの取崩しが維持できる金のバケツができれば十分。
このあたりを目安にどのくらいリスクをとるか(株式比率)を考えればよいわけですね。

eMAXIS8資産均等バランスの過去10年の年率平均が5%程度です。(My INDEXより引用)

≪8資産=株式37.5%/REIT25%/債券37.5%≫

年金の所得代替率は今後下がっていく未来しかないし、介護費用も平均5年で600万円/一人だそうな(今度ちゃんと調べてみよう)。
GPIF同じように自力ポートフォリオもしぶとく運用して増やしたいですね。

GPIFのHPより

年金の一部は『ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)』のようなポートフォリオで運用されています。
(逆か。バランスファンドがGPIFを参考に組成されたものですね)


GPIFの運用から賄われるのは全財源の1割ほどです。