Nowhere Man(50代から投資と健康と浦和レッズと)

_/_/_/ 定年間近の "Nowhere Man" 老後の準備、お金と健康と趣味の備忘録 _/_/_/

今すぐ全額投資しよう 読書MEMO「JUST KEEP BUYING」

MEMOしておこう

ほとんどの市場は、ほとんどの期間、上昇している!

前半は「貯金力アップ篇」、後半は「投資力アップ篇」
サイコロジー・オブ・マネー』の著者が、「絶対読むべき一冊」と帯をつけている。

MEMOは投資篇から。
・いつ投資すべきか(一括と分割)
・暴落時の投資法(順序リスク)
・安値を待つべきではない(タイミング投資)

即一括投資」か? 「分割投資」か?

12ヶ月単位で分割投資が一括投資を下回ったのは全期間の68%にのぼる。
米国株式のリターンも一括投資のパフォーマンスを平均4.5%下回っている。

▼S&P500に投資

私たちは、常に暴落の危機に瀕しているような感覚を抱いているが、実際には大暴落は稀にしか起こらない。
リーマンショック翌年の2009年は、分割投資が即一括投資を1年間で30%上回っている

米国株式以外のアセットではどうか

米国債、金、先進国株式、新興国株式も、リターン平均2~4%、全体で約60%~80%の割合で分割投資は、即一括投資を下回った。

リスクの違い

標準偏差(平均とどれだけ外れているか)は、即一括投資のほうが高い。なぜなら、即一括投資は最初に資金をすべてリスクに晒すのに対し、分割投資は資金の一部を現金で保有している期間があるため。
➡リスクが気になる場合は即一括投資でも、米国株60%/米国債40%のポートフォリオにすれば、リスクレベルを同等に保ちながら、わずかに優れたリターンを得られる。

▼60/40のポートフォリオでの即一括投資でも、株式100%の分割投資を上回る

「パフォーマンスで上回り、かつ低リスク」とは、まさに投資家にはありがたい。

最終的には株式80/債券20のポートフォリオを組みたいが、一括投資はリスクが怖いという場合は、まずは60/40のポートフォリオで一括投資し、時間の経過とともに70/30➡80/20とリバランスする。そうすれば最初はリスクを抑えながらある程度のリターンが得られる。

所感

※ここでいう、分割投資の定義とは、投資資金がすでにあるが、何回かに分けて投資すること。毎月の給料から投資できる精一杯を投資するのは、結果的にドルコスト平均法だが、毎月一括投資をしていることなので、ここでいう分割投資とは異なる。

ここまで私はシニア投資ということで、債券や金を含んだポートフォリオで、毎月の給料から精一杯の額をポートフォリオで投資をしてきた。この方法は、言うなれば「毎月即一括投資」ということになる。
投資を始めた当初は、タイミング投資を試みたり、時々個別株に手を出したりしていたが、振り返れば、なるほど悪手となっている場合が多かった(「個別株を買うな」の項あり)。
こうやって、データを元に理論的に解説されると納得がいく。

順序リスクについて

投資方法については結論が出たとして、私のようなシニア投資において一番のリスクは「順序リスク」だ。
リタイア直後に暴落に見舞われる、投資の「不運」についても本書で触れている。

・低リスク資産(債券等)に分散する・・・暴落時は株ではなく債券を売る
・市場の低迷時は、資産の取崩し率を減らす
・パートタイムの仕事をして収入を補う

当たり前と言えば当たり前。これしかないのである。
私の場合は、ポートフォリオ運用に加え、年金で不足する額×5年分+5年以内に使う予定のあるお金は無リスク資産で準備。
人によっては仕事を続け、年金の繰下げ受給、が順序リスク対策となるだろう。

安値を待つべきではない「神でさえドルコスト平均法に勝てない」

この本には、他にも、
全知全能の(すなわち神)の視点に立ち、底値がいつかをあらかじめ知っておけるようにした上で、
1.ドルコスト平均法で毎月100ドル、40年間 
2.バイ・ザ・ステップ(押し目買い)--毎月100ドル貯金して相場の下落時のみ買う
を比較してどっちが儲かったかを比較している。

「今すぐ全額投資しよう」も納得である。

来年のNISA枠の利用方法にも、近い将来の退職金運用の考え方にも大いに役立つ、良書でありました。